香港のライバルは…?
2016年完成予定の香港・マカオ・珠海をつなぐ港珠澳大橋。香港マカオ間は車で約30分で結ばれる。
全長35キロに及ぶ巨大プロジェクト。
月曜日ブログ担当のヒロです。
朝と夕方、やっと涼しさを感じるようになってきた香港です。
香港のライバルとよくいわれるのが、シンガポール。しかし、香港の皆さんはあんまりそのようには感じていないように感じられます。2つの都市は、同じ旧英国植民地でもあり、非常に面積も小さな都市、またアジアでの金融の発展したところでもあり、比較されるのが常です。
しかし、本当のライバルは外国にあるのではなく、中国内の上海ではないかという話題です。
上海にある既存の4つの保税区が9月29日付けで自由貿易試験区として新たに生まれかわりました。中国にとっては1980年、深センなどへの経済特区設置以来となる大きな改革です。
上海の自由貿易区ですが、実施される政策の大枠がやっと示されただけで、具体的な内容などはこれからだそうです。中国で禁止されている、フェイスブックへのアクセスなども認められると先日、報道がありましたね。上海自由貿易区の構想は、李克強首相の鶴の一声で決まった感じです。
これに焦ったのが香港のお隣の広東省。上海の報道に触発されたのでしょう…おそらく、来年には香港・マカオとの経済協力区を自由貿易区に発展させる動きが出てきています。
香港の国際的な人民元のオフショア市場での優位性が傾くのでは、と危惧されている報道もかなりあるのですが、香港金融管理局(HKMA)の陳徳霖(ノーマン・チャン)総裁は9月6日、上海自由貿易試験区で人民元の自由兌換が認められたとしても香港はまだ優位性があるとの見方だと9月上旬にあった財資市場公会(TMA)主催の資本市場サミットでいっていましたが…。
今後の上海の動きも要注意ですが、香港マカオ自由貿易区は総面積1,363平方キロと上海の47倍という大きさを誇り、中央政府の認可待ちの状態になっています。早ければ来年はじめにもGOが出るとのこと。香港・マカオとの協力の強化が目玉なので、国際投資プロジェクトで香港の一部商業法律を直接適用するなどの可能性もあるそうです。競い合いをしながら、拡大を続ける両都市の争い、今後どうなるのかますます混沌としてきましたが、ますます注目です。
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2013年9月30日