前代未聞の怪しい引き出し200億香港ドル。その背景とは?
South China Morning postからの情報です。
先月、香港のATMから前代未聞の怪しいといわざるを得ない引き出しがありました。
その額は、1か月で「200億香港ドル」(2,800億円相当額)。
その背景は、3つの点が関係しています。
①2018年1月から中国政府は、海外引き出し制限を新しく改定し、「年間10万人民元まで」と定めました。
②去年、マカオではすべてのATMに顔認証のシステムを搭載しました。
それにより、「お金を引き出す専門集団」の活動に大きな影響がでました。
③②により、マカオから最も近くて便利な香港が、第三者のカードでお金を引き出すターゲット地になりました。
裏情報によりますと、1日に不正引き出しした最大金額は、1人で3,000万香港ドル(4億2,000万円相当)にもなるそうです。
アジア太平洋マネーロンダリング対策グループに通報が出され、香港の警察も犯罪警告を出しています。
多額の引き出しした現金をターゲットとした強盗まで現れる始末です。
1月4日には、50枚もの他人のATMカードを持っていた2人の中国人がATMから35万香港ドル(490万円相当)を引き出した後、強盗にあったとのことです。
このような事実があったにも関わらず、香港金融管理局も、現地の警察ができることが限られています。
なぜなら、香港ではきちんと第3者が引き出ししても良いという本人の承諾さえあれば、第三者のATMカードを使ってお金を引き出しすることは違法ではないからです。
実際に、ここ数カ月間に何人もの人が、他人のATMカードを複数回使ったことにより、警察に逮捕されたが、全員無条件で釈放されています。
その理由は、委任された証拠があったからだそうです。
今回の事件から、香港の法規制の厳格化や、各銀行のセキュリティ強化等の対策をしてくることが予想されます。
そうなると、HSBC銀行での口座開設にも何かしら影響がでてくるものと思われます。
使う必要がないのに海外口座を作る必要はありませんが、もし口座開設をご検討されているならば、規制が厳しくなる前に口座開設をしておくことをおすすめします。
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2018年1月30日