【香港情報】公共バスでのシートベルト着用義務化/香港経済・金融市場の1月の展望
香港の公共交通で進むシートベルト着用の義務化 ― 新たな交通安全ルール

2026年1月25日、香港では、公共交通機関におけるシートベルト着用義務を拡大する新しい交通安全ルールが正式に施行されました。これは、バスなどの公共交通を利用する乗客の安全性を高めることを目的としたもので、香港政府が段階的に進めてきた交通安全対策の一環です。
新制度では、シートベルトが装備されている座席に着席した場合、乗客はシートベルトを着用することが義務となります。対象は、路線バスや長距離バスを含む公共および民間のバスのほか、貨物車両や特殊用途車両などで、車両の新旧を問わず、シートベルトが設置されていれば適用されます。
一方、シートベルトが設置されていない座席については、着用義務の対象外とされています。また、2026年1月25日以降に新たに登録される車両については、シートベルトの装備が義務付けられます。
このルールに違反した場合には、最高5,000香港ドルの罰金および最長3か月の懲役刑が科される可能性があります。
バス会社各社も、新ルールに合わせた対応を進めています。車両点検時にシートベルトの状態を確認するほか、車内アナウンスや掲示を通じて、乗客に着用を呼びかける取り組みが行われています。これは、単に罰則を強調するためではなく、公共交通における安全行動を日常の習慣として定着させることを目的とした啓発活動の一環といえます。
シートベルトは、急ブレーキや衝突時に体を固定し、けがのリスクを軽減するための重要な役割を果たします。交通量が多く、道路環境が複雑な香港では、公共交通機関であっても不測の事態が起こる可能性は否定できません。そのため、「バスだから安全」ではなく、「バスでも備える」という考え方を広げることが、今回の制度改正の狙いとされています。
2026年の幕開けと香港経済・金融市場の展望 — 2026年1月の概況

2026年の年初を迎えた香港では、2025年にかけて進んだ経済回復の流れを背景に、実体経済・金融市場ともに比較的落ち着いたスタートとなっています。2025年後半から続く輸出環境の改善や、海外からの観光客数の回復が引き続き経済を下支えしており、特に観光や小売、金融などのサービス業を中心に、緩やかな拡大基調が維持されています。 政府および市場関係者の間では、こうした流れを受けて、2026年も安定した成長が続くとの見方が徐々に共有されつつあります。
物価面では、大きな変動は見られていません。足元の消費者物価指数(CPI)は引き続き低位で推移しており、これは日常生活に関わる物価上昇が比較的抑えられていることを意味します。エネルギー価格や輸入物価の落ち着きもあって、インフレ圧力は限定的な状況が続いています。こうした環境は、個人消費や企業活動にとって過度なコスト負担が生じにくい状況をもたらしており、内需の緩やかな回復を支える要因となっています。
金融市場では、年初特有の様子見姿勢が一部に見られるものの、香港市場全体としては安定感を保っています。株式市場では、中国本土およびアジア経済の先行きに対する期待を背景に、業績や成長性を重視した選別的な投資が続いています。 また、債券市場においても、香港ドル建て債や環境配慮型のグリーンボンドを中心に、長期的な資金運用を意識した発行・投資の動きが継続しており、香港の資本市場としての基盤の厚みが改めて確認される局面となっています。
政策・制度面では、前年から進められてきた金融・テクノロジー分野の取り組みが、2026年に入り本格的な実行段階へと移りつつあります。フィンテック(金融とITを融合した新しい金融サービス)、グリーンファイナンス(環境配慮型の金融)、クロスボーダー金融(国境をまたぐ金融取引)を軸とした施策は、短期的な景気刺激というよりも、中長期的な競争力強化を意識した内容となっており、香港の金融センターとしての役割を持続的に支える土台づくりが続いています。
総じて、2026年1月の香港は、急激な変化よりも、「安定の中で次の成長を見据える」局面にあります。2025年に整った回復基調を踏まえつつ、国際金融ハブとしての機能強化と、新たな成長分野の育成が、2026年を通じた重要なテーマとなっていくことが予想されます。




