香港の両親の憂鬱…子供たちの将来について
香港の郊外に広がる高層マンション群。100m以上の高さにビル本数世界一で大部分が高層マンションです。
急激に気温が下がって、ようやく冬到来、という感じの香港です。本日ブログ担当のヒロです。
今日は、英字無料新聞”STANDARD”からのTOP記事、”Parent’s Flat-Out Phobia”のお話を少ししたいと思います。Flatはイギリス英語ですが、マンションのことを指してます。Phobiaは恐怖症とでもいえばよいでしょうか。香港の子供を持つ親は、子供たちが将来、自分の家(フラット)を持てないのでは、と危惧しているというお話です。
香港中文大学の調査によると、1,855家族へのインタビュー調査の結果、70%のの家族が、将来、自分たちの子供がホームレスになるのでは、という不安を感じているということです。日本人の皆さんにしてみれば、”えー極端な!”という感じですが、社会保障の薄い香港では、ありえるかもしれない、と感じている人々が多いということです。
さらに、幸せな結婚ができるかどうか、という点でも60%の家族が子供の結婚に費用を十分残せるかどうか、さらに43%が様々な競争下に直面することを心配、そして9.5%の親が、自分の子供とのコミュニケーションをどうとればいいのか、ということで心配しているそうです。
そして最も気になる問題が、Secondary school(中学)で直面する長い受験戦争について、中間所得者層の44%が不安に感じているとのことです。
香港の受験は日本よりも厳しいといわれているようですが、個人的には私はそのようには思ってはいません。子供は勉強だけすればいい、という感じで、スポーツもさせない、しない子供が多いことも気になります。また、両親が共働きで、フィリピンなどからの家政婦さんが一緒に住んでいて、学校の送り迎えから世話まで朝から晩までしっかりしてくれて、通学の際、カバンは自分で持たない、靴紐も結べないという子供も多いですし、見かけます。
非常に甘やかされている香港の子供たち、あと数十年後、彼らが大人になったとき、今のこの地位を香港が保てているかどうか、いささか不安になります。以前のタクシーから見える香港の問題点でも書かせてもらいましたが、英語の力もテスト結果でみると、日本とあまり変わらないレベルにまで現在なってしまいました。資源のない香港の強みである”人材”、この低下は香港の死活問題に関わる大きな問題です。甘やかすのではなく、しっかりと先を見据えた教育、指針をしっかりと指し示す必要があるのではないかと思います。また、彼らが香港を支えていく世代になったとき、自分たちで考えて生きていくことができるように、今の親がしっかりと教えるべきではないか、と思います。
2013年12月16日