香港投資移民制度から10年経過
本日ブログを書きますヒロです。香港の政府の政策を少しお話したいと思います。
投資移民制度、あまり日本の皆様は聞いたことがない制度かもしれませんが、お金を持った人々を香港に引き寄せる為に開始した香港の移民制度です。
香港も日本と同じで面積は狭く、資源や産業に乏しい地域です。面積は東京都の半分、しかし離島や山岳地帯などもあり、住める地域は東京よりも狭いといわれています。その中に約715万人が居住し、人々は生きていかなければいけません。そのために香港政府は色々な政策で、優秀な人材やお金を持った人々を香港に呼び込むための政策を実施しています。その中の一つがこの移民制度です。
10年前の開始時、HK$650万(本日2013年11月28日のレートで約8,570万円)を投資すれば香港の永住権がとれました。この時、香港の土地・マンションの購入も投資、として認められていました。しかし、2010年の制度見直し時に1,000万香港ドルに引き上げられ、さらには投資対象資産から不動産が外されました。実は、この制度で香港のマンション価格がかなり上昇し、バブルの原因にもなったといわれており、多くの本土からの移民が誕生しました。それと同時に、本土人と香港人の軋轢も徐々に大きくなっていきました。
各国が設ける投資移民制度の中では比較的ハードルが低いとされる香港の制度ですが、3年ごとの制度見直しの時期にあたる来年初めの施政報告で引き上げられる可能性が高いようです。
10年間にこの政策で投資された総計はHK$1,564億(約2兆620億円)で、投資移民の資格を申請した人数は約33,000人、そのうち正式に認められた人は約19,500人(2013年9月30日現在)だそうです。 データ出所:香港文匯報
この投資移民制度、見直しということで本土からの駆け込み申請がかなり増えているようで、移民局も大慌てだそうです。
この移民制度でアリババTOPのMr.Jack Maも香港の籍をとったことでも話題になりましたが、香港政府は色々な施策で香港にお金が流入するような施策をとり続けており、非常にしたたかです。こういう点では日本も少し学んでもよい点があるのでは、と思います。
ポールスターでもこの移民制度の申請のサポートなど行っています。中国との関係性がこじれつつある今、そんなもの…と思われる方も多いかもしれませんが、国籍の変更ではなく、あくまでも香港の永住権が取得できるというもの。また、1国2制度の元、香港では全く日本に対する姿勢も異なり、世界に先駆けてクールジャパンのアニメ、テレビなどを受け入れてくれた親日都市です。
それでも心配!という方はぜひ一度、LCC効果で、運行本数が激増して、運賃が下がった香港にぜひ遊びに来られてはいかがでしょうか?
2013年11月28日