2014 年度 香港行政長官の施政演説
2014年の旧正月(農業歴)も無事に明けた香港から、本日のブログ担当のヒロです。
恭喜發財!(ゴンフェイファッチョイ)…お金儲けをたくさんしましょう、という旧正月独特のあいさつ。
先日のミッチーのブログにもあった『利是(ライシー)』ですが、中にお金を少額(10~50ドルくらい)ですが入れて、職場の人や、警備員さん等にあげて、私の幸せをみ他の人にも、、、という発想です。日本のように子供だけにあげるものではないので、もらったときはなんだか恥ずかしかったのですが…。
さて、本題ですが先月1月15日に梁振英・行政長官が2014年の施政演説を行いました。どのような政策が今年にされるのか、ということですが、世論を意識した内容で、その政策もかなり実行されます。政府の方針などここから読めることも多いので注目してみてみたいと思います。香港ポストさんから抜粋です。
大まかな方針としては『恵まれない人々を支援して、若者の活躍を促して、香港の可能性を解き放とう!』ということで、施政報告は、経済、低所得層・高齢者・弱者支援、次世代育成、住宅・交通、環境保護、医療などに関する政策を柱としています。
中でも貧困対策の「低所得在職家庭手当」が目玉だといわれており、児童を持つワーキングプアーの家庭を優先的に支援するもので、就業を奨励し生活保護への依存を防ぎ、貧困の悪循環を断ち切ることを目的としています。このため手当は家庭を対象とし、就業と労働時間にそれぞれ準じています。児童がいる場合は割り増しになり、世帯収入中位数の半分以下の家庭で在職・労働時間の条件を満たせば毎月の基本手当600ドル(約7900円)(労働時間144~208時間)または1,000ドル(約1万3000円)(同208時間以上)を全額受給、児童がいる場合は1人につき800ドル(約1万500円)加算。12年のデータに基づくと、児童2人の4人家族で月収1万4400ドル(約19万円)以下の場合、月2,200ドル(約2万9000円)または2,600ドル(3万4000円)を受給できるそうです。同措置による年間支出は30億ドル(約395億円)、低所得家庭20万世帯余り、計71万人が恩恵を受けると見積もられています。
経済対策としては金融業の発展や新興市場開拓などが盛り込まれた。昨年設置された金融発展局は人民元業務、資産運用、不動産投資信託(REIT)などに関する報告書を提出しており、これに基づき金融業の発展をさらに促進する。新興市場開拓ではアジア地域での経済貿易弁事処の増設を検討。新興市場の開拓と連携を強化し、貿易を促進する。中央政府の支持を得た東南アジア諸国連合との自由貿易協定も正式に協議を始める。経済貿易弁事処は中国本土でも増設する方針だ。また港珠澳大橋の開通に向けランタオ島開発を進めるための「ランタオ島発展諮問委員会」を設置するほか、梁政権発足時に頓挫した機構改革に含まれていた創新及科技局の設置をあらためて推進するとのことです。
市民が注目した住宅政策では、47万戸を今後10年の新たな住宅供給目標にすると発表。うち60%は公共住宅が占める。これは住宅政策を検討する長遠房屋策略督導委員会(長策会)の提案に基づく。政府はすでに供給を承諾した賃貸型公共住宅17万9000戸と分譲型公共住宅1.7万戸を建設する用地を確保し、賃貸型公共住宅約2万戸と分譲型公共住宅約8000戸を年間平均の供給目標とする。これにより今後10年の公共住宅供給量は昨年の政府の承諾より36%増える。香港島西南部でのMTR整備に伴い、薄扶林南部の団地再開発などで約1万1900戸の公共住宅を供給。これに合わせMTR南港島線(西区間)建設を含めた2020年以降の鉄道建設計画をできるだけ早く発表するという。このほか新界東北部の開発で約6万戸(うち公共住宅60%)供給、新界西北部の洪水橋の開発で17.5万人を収容、ランタオ島(香港国際空港の近く)東涌のニュータウン拡大で5.3万戸を供給するなどの計画が進められているそうです。
かなり一般市民の要望にこだわった内容でした。
住宅に関してはかなり切迫しているというのが個人的な意見です。お金持ちは苦労しませんが、香港で貧乏から抜け出すには過去、政府等からの援助などはほぼないといってもいいほどの状態。貧乏人は一生、次の世代も貧乏。だからみんなお金に対し、貪欲でシビアに見ているというのが普通の香港人だと思います。12月に政治体制改革の公開諮問もはじまり、一般市民の関心が普通選挙問題に移ってきています。大問題を解決して、市民からの信頼を得てこの選挙問題の批判を少なくして難局を打開したい行政長官・香港政府の考えが見て取れます。
高齢化問題ではこれから、香港は日本以上に厳しい問題に直面するといわれています。女性平均寿命では世界一となり、男性も日本の記録に近づきつつありで、そうなるとお年寄り向けのサービス・企業のノウハウなどが必要となると思われます。また、環境対策は非常に遅れています。ゴミの分別回収についての一般市民の公聴会などはじまったようですが、このあたりの企業様なども進出にはかなりのポイントではないでしょうか。ただし香港人の感覚、ビジネス=儲かる!という発想が香港のビジネスには大事なので、そこをわかりやすく表現できるかできないか、そのあたりを見極めていただく必要があります。同時に、若干さまざまな問題の背景が日本と異なることも多く、日本で受けているからそのまま香港でも、というのでは誰も納得はしません。
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2014年 香港ナイトパレード
2014年もみなさまにとって素晴らしい1年となりますように…
身體健康!心想事成!
龍馬精神!馬到功成!馬年行好運!!!
2014年2月3日