今月の気になる香港経済ニュース【11月】
香港不動産情報
香港では、初めて家を買うことを「上車」と言います。直訳では車両に乗ることですが、家を買うことによって人生の成功への列車に乗れて一安心、これからの旅への期待も高まるという感じです。
最近の不動産購入情報では、
・2001年に161万香港ドル(約2,374万円)で購入した家が628万香港ドル(約9,260万円)で契約成立
・2010年に約250万香港ドル(約3,686万円)で購入した家が725万香港ドル(約1億690万円)で契約成立
・2003年に310万香港ドル(約4,571万円)で購入した家が1,430万香港ドル(約2億1,085万円)で契約成立
など。こちらは、ごく一部で、同じように大きな利益をあげている多数の契約が成立しています。
「美聯移民顧問」の最新の調査によると、香港の永久居住ではない顧客の24%は高い税金を払ってでも家を購入したいと考えており(香港非永久居住者の不動産購入は、不動産バブルを抑えるため、印紙税が30%と高額になっています)、もうすぐ香港永久居住になる「新香港人」の80%近くは家を購入したいと考えているそうです。
また、Citibank香港の21歳から60歳の500人への電話調査によると、そのうち30歳以下の「上車」の人の8割は、親の援助が有り、その平均援助額は254万香港ドル(約3,744万円)とのことです。先月は、香港人にとって家を買うことは妄想とお伝えしましたが、「新香港人」と「富二代(富裕層の子供)」にとっては、現実のようです。
香港でも日本のウィスキーが投資対象として人気
先月お伝えした3年前に600万香港ドル(約8,760万円)で購入した家が、現在740万香港ドル(約1億800万円)になっているというレストランのマネージャーですが、先日は、サントリーウイスキー響を購入したと言ってきました。「響30年」の普通のものが6万ドル(約88万円)、有田焼バージョンは12万ドル(約177万円)とのこと。
「世界中で景気が悪くて、高級品が売れない状況なのに、香港だけは、高級時計と高級酒が売れている」と以前知人から聞いたことがあります。どんな状況でも香港では、投資は大事なようです。
中国と香港間の隔離無しでの移動開始?
香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」の報道によると、12月の第一週に中国との隔離無しでの移動が出来るようになるらしいとのこと。毎日数百名程度で、様子を見て、人数は増やしていくようです。現状、ゼロコロナ政策の中、隔離無しでの中国への入境はまだまだ時間がかかり、2月の旧正月や北京オリンピックに向けて動きがあるのではないかと考えられています。
コロナ新変異株「オミクロン」の出現も影響を及ぼしそうです。
香港コロナ状況
先日やっと1回目の接種者数が、政府が免疫の壁を構築するための目標の70%になりました。
香港では、コロナワクチンは、ビオンテック製とシノバック製の2種のワクチンから選択可能です。ビオンテックは12歳以上、シノバックは18歳以上の接種が可能ですが、12月2日より、シノバックも12歳以上の接種が可能になります。
ワクチン3回目の接種、ブースター接種については、60歳以上、慢性疾患がある人、免疫力が低い人、医療関係者、感染リスクの高い職種の人たちなどが11月11日より優先的に接種が可能となりました。また、11月23日より、シノバックを2回接種している人で、2回目接種から180日経過後であれば、上述の優先はなく誰でもブースター接種が可能になりました。
12月9日より、全てのレストランや映画館、ジムなど条例で定められている全ての施設の使用者は、スマートフォン用の感染者追跡アプリ「安心出行」でのQRコードスキャンが必須となります。スマートフォンを持っていない高齢者が施設を使用できないことや、客層の多くが高齢者のレストランの売り上げが激減しているなど、現在でも既に問題が出ていますので、今後更に問題が大きくなりそうです。
2021年11月29日