2013年 香港10大ニュース
人民元の国際取扱量も年々拡大しています。
気が付けば今年もあと2日!本日のブログ担当のヒロです。
香港の年末は年末らしくなく、ほぼ通常通り…1月の末には旧正月があるからなのですが、どちらかというとそちらの方がお正月っぽい感じです。
クリスマスイルミネーションから、旧正月用のイルミネーションに切リ変わると、旧正月!という感じになりますが、まだ少し先ですね。
お休みも31日と1日くらいで、他は通常通りではありますが、香港ポストさんから香港の10大ニュースをさっとご紹介したいと思います。
1.行政長官の普通選挙問題…セントラル占拠や米英の干渉も
2.人民元の越境利用が拡大…香港の優位性が脅かされる
3.香港の競争力が低下…政治的対立による疲弊に懸念
4.不動産市場の冷却化…抑制策に緩和・撤回の声
5.公式貧困ラインを設定…香港市民の2割が貧困
6.ゴミ処理問題で頓挫…親政府派が離反
7.機密暴露の元CIA職員…香港潜伏で注目
8.粉ミルク持ち出し制限…並行輸入業者への反発激化
9.無料テレビ放送免許…HKTV落選で抗議デモ
10.梁政権スキャンダル続出…行政会議・主要官僚8人が辞任
くらーい話題が多いのですが(汗)、この中から2つ目の記事について少しその後のお話もご紹介します。
中国証券監督管理委員会は今年3月、中国本土の証券市場に海外からの人民元建て投資を認める人民元適格海外機関投資家(RQFII)の規制緩和を発表しました。今まで、本土のファンド運用会社と証券会社の香港子会社に限られていた試行機関は、本土の銀行・保険会社の香港支店・子会社、それに香港を登記地・主要事業地とする金融機関にも拡大、香港との協力で金融改革を試行する深圳市の前海深港現代サービス業合作区では、香港の金融機関による人民元の越境融資が始まるなど、香港の人民元オフショア業務は順調に拡大中です。
しかし!!
なんと香港にとって大事なRQFIIは台湾、英国、シンガポールにも開放されることになり、さらに10月に英国ロンドンに800億元のRQFII投資枠が認められたほか、中英は人民元と英ポンドの直接取引で合意。続いてシンガポールにもRQFIIの投資枠として500億元を認め、香港でも認められていない人民元適格国内機関投資家(RQDII)のシンガポール市場への投資を試行することも示唆されたとのこと。
中国の国家戦略による人民元国際化が進展を見せるにつれ、香港の優位的地位が危ない状態です。さらに9月には上海自由貿易試験区が設置され、人民元の資本取引で自由兌換を先行実施することが計画されているなど、香港にとって脅威以外の何物でもない状態です。
香港が他の中国の都市と異なってきたのは、1国2制度の下、自由経済を行えるオフショアとして、そしてアジア最大の金融都市として、成立してきたからです。しかし、この優位性も徐々に衰えてきています。香港が、ただの中国の一地方都市と成り下がってしまうのではないか、と危惧する人が多いことも事実です。9月の上海での自由貿易地区誕生はまさにその悪夢で、香港人の多くに衝撃を与えました。香港に対し言うことを聞かなければ、上海がその地位をとって変わる、と宣言されたと感じた香港の人も多かったと聞いています。
しかし、支配階級に翻弄されてきた香港は、したたかです。文匯網訊によると、粵港澳自貿區(広州・香港・マカオ自由貿易地区)の構想が、今月、無事に中国国務院に正式に提出されたそうです。広州南沙区、珠海、深セン前海区、白雲空港総合保税区など合計で931平方キロメートルの大きさだそうです。900平方キロ、あまりピンとくる大きさではありませんが、日本だと大体、広島市、愛知県豊田市などの大きさに匹敵する巨大な自由貿易地区になります。以下の6つ、國際製造(国際製造拠点)、國際物流(国際物流)、國際貿易(国際貿易)、國際維修(国際サービス)、國際研發(国際研究)國際結算(国際決済)の中心となれるように目標を設置とのことです。
この自由貿易地区は広東語圏を包括しており、日常的に広東語を話す地域が大部分です(深センは新しくできた街なので、北京語がメイン)。文化もほぼ同じ華南地区の動き全体、今後どのように巻き返すのか要注目です。
今年1年、ブログをご覧いただきまして、ありがとうございました。
2014年も皆様にとって素晴らしい1年となりますように祈念しております。
スタッフ一同。
2013年12月30日