香港の預金保護制度強化:80万香港ドルへの引き上げとそのポイント
今回は、香港の銀行預金保護制度の重要な変更についてお知らせします。また、この変更が香港での銀行口座開設を検討されている方々にどのような影響があるかについても解説いたします。
預金保護限度額が80万香港ドルへ引き上げ
香港の預金保護制度を管理・運営する香港預金保障委員会(Hong Kong Deposit Protection Board)の発表によると、2024年10月1日より、香港の銀行預金保護制度「Deposit Protection Scheme(DPS)」の保護限度額が大幅に引き上げられることになりました。
改定前: 50万香港ドル(約915万円)
↓
改定後: 80万香港ドル(約1,460万円)
この変更により、万が一、銀行が破綻した場合でも、預金者の資産がより手厚く保護されることになります。
預金保護対象となる銀行
本制度の対象となるのは、香港の主要銀行を含む約150行です。
預金保護制度の対象となる主な銀行:
• HSBC銀行
• スタンダードチャータード銀行
• 中国銀行
• 恒生(ハンセン)銀行
• シティバンク
• DBS銀行
• その他
預金制度対象となるすべての銀行(フルリスト)を確認されたい方は、
こちらで確認することができます。
預金保護対象の口座と預金種類
預金保護対象となる預金の種類は以下のとおりです。
• 普通預金
• 当座預金
• 5年以内の定期預金
個人名義、個人共有名義、法人名義の預金が対象となります。
※ 共有名義口座の場合は、対象預金を均等に保有しているとみなされます。
(例えば、二人の共有名義口座に100万香港ドルを保有する場合、それぞれ50万香港ドル保有しているとみなされます。)
預金保護の対象外となる預金
• 5年を超える定期預金
• オフショア預金(例:対象銀行の海外/中国本土の支店にある預金)
• 仕組預金(例:外貨連動型預金や株式連動型預金)
• 無記名証券(例:無記名預金証書)
複数口座を持つ場合の取り扱い
同一銀行内に複数の口座を持つ預金者の場合は、口座の数にかかわらず合算され、すべての預金合計に対して最大80万香港ドルまで保護されます。
香港ではマルチカレンシー口座をお持ちの方が大半だとは思いますが、その場合、香港ドル、米ドル、日本円、人民元など、その他通貨建の預金はすべて合算され、その合計額に対して最大80万香港ドルまでが保護されることになります。
最後に、適格預金は自動的に銀行預金保護制度(DPS)によって保護されるため、申請は不要です。また預金者は保護のために支払いをする必要もありません。
香港での銀行口座開設を検討される方へ
この預金保護制度の強化は、香港での銀行口座開設を検討されている個人や企業にとって、さらなる安心材料となります。ただし、香港での銀行口座開設には依然として様々な手続きや要件があり、特に外国人や海外企業にとっては煩雑な場合があります。
弊社では、香港での銀行口座開設のサポートサービスを提供しております。経験豊富なスタッフが、適切な銀行の選択から必要書類の準備、申請手続きまで、きめ細かくサポートいたします。
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